プラットフォームの高解像度化により、昨今では常に大量のデータ転送が必要となるコンピュータグラフィクス業界。株式会社アニマ様では、トランキングされたギガビット・イーサネットを含む高速ネットワークと冗長化されたストレージ、テープバックアップを用いてとめどなく増加するトラフィック量とデータ損失リスクへ対応してきました。

しかしながら、ネットワーク上のあらゆるノードに対して同等の信頼性を確保するための投資を行うのは効率的ではありません。CG制作作業の核となるデータストレージは極めて容量と速度、信頼性に対してクリティカルであり重厚な投資が必要となることはやむを得ませんが、例えばスタッフの連絡用に用いられるグループウェアや外部とのデータ交換用に一時的にファイルを置くためのサーバにまで同様にとても高価な「容量1ギガバイトあたりのコスト」をかけてしまうのは憚られるところです。

とはいえ、それらの非ファーストクラスサービスもれっきとした業務の一部であり、データの破損やサービスの停止が少なからず制作の進行に支障を来すのは明らかです。そこでワルブリックス株式会社は、低コストかつ冗長性を持ち、障害によるサービス停止時間を最低限に抑えることの出来るソリューションとして Walbrixによる仮想サーバクラスタをご提供いたしました。

圧倒的コストパフォーマンス

ポイントは、たとえ多少使い古したコンピュータと冗長性のない市販のハードディスクの組み合わせであっても、2台一組の構成にすることで(両方が同時に故障する可能性は非常に低いことから)社内サービス用としては必要十分な信頼性を確保出来るということです。もしシステムインテグレータにクラスタ構成サーバの構築を見積依頼すれば、ハードウェアとOSの合計だけで3桁万円の金額が書かれた見積書を嬉々として持って来られてしまう所でしょうが、今回この構成を構築するのにかかったハードウェア費用はハードディスク代の 3万円だけで済んでいます(※余剰品やストックの部品を流用したため)。OSは無料です。

導入詳細

IAサーバ(普通のPCでも問題ありません)を2台用意し、それぞれに市販の大容量ハードディスクを搭載して Walbrixをインストールします。

Walbrixに標準で搭載されている複製ブロックデバイス(DRBD)機能を用い、両者のディスク領域がLANケーブルを通じてリアルタイムに複製される環境を設定します。
技術情報: DRBDによるクラスタ構成

片方のコンピュータを「プライマリ(稼働系)」に設定し、複製が有効になったディスク領域に Gentoo Linuxと今回クラスタ化する業務に必要なサービスである Apache、Samba、Webminを搭載した仮想サーバを構築します。この時既に「プライマリ」のデータは「セカンダリ(待機系)」に複製されています。

故障を想定した演習を行います。「プライマリ」をシャットダウンし、「セカンダリ」上でWBUIを通じて仮想サーバを起動します。ここで「セカンダリ」は自動的に「プライマリ」に昇格し、処理を引き継ぎます。

全く同じ内容のディスク領域を使ってサーバが起動するので、ユーザはサービスが違うコンピュータへ引き継がれたことに気付くことすら出来ません。傍目には、ただ再起動がなされたのと同じです。

故障からの復帰を想定した演習を行います。ここではただ、先刻シャットダウンした「元プライマリ」を起動します。このコンピュータは自動的に「セカンダリ」へと降格され、新たな「プライマリ」からデータの複製を受けます。

このような構成を取っておけば、片方のコンピュータが故障してもデータを損失させることなく、もう片方のコンピュータに処理をスムーズに引き継ぐことでサービスの停止時間を最低限に抑えることが可能になります。

保守も安心

クラスタ構成により冗長化が達成されても、故障したノードの復旧がスムーズに行くようでなくては安心できません。Walbrixのライセンスは無料ですが、開発元であるワルブリックス株式会社は有償の保守サービスも提供させて頂いております。

Walbrixには開発元から発行されたシリアルナンバーを付与することが出来ます。シリアルナンバーのついた Walbrixには、開発元から暗号化された接続を用いてアクセスすることが可能です(もちろんお客様側の同意が必要です)。

これにより、もしクラスタの片側が故障した場合でも、代替機に Walbrixをインストールしてシリアルナンバーの引き継ぎさえ行って頂ければ、保守契約に基づき日本又はインドの拠点から遠隔でワルブリックス株式会社のスタッフが復旧にあたらせて頂くことが可能です。